王瑞雲 ブログ。論文。

「新生存学の構築を! ーシャックリにも意味がある。ー」  王 瑞雲

2020.11.19

人はだれしもシャックリくらいは何回か経験しておられると思います。 でもそんな日常でもいろいろな意味を含んでいるのです。 まずシャックリとはどこで起きているのか?ご存じと思いますが、 胸部と腹部の境界にある筋肉層で出来ている「横隔膜」というところが, 痙攣をおこしている状態がシャックリなのです。理由もなく起こる時もありますが、 冷たいもの,熱いもの、アルコールや刺激物で起こる時もあります。 普通は数分で収まるのですが時には一日以上続きます。 私はシャックリが苦しいと来られる方には、芍薬甘草湯エキス製剤を頓服として飲みなさいと アドバイスしていますが、時には夜中などで急に起こり、いろいろやっても止まらないときは 「生のショウガをかじりなさい」と伝えることもありました。 そのあと葛湯を飲んでいただくのです。

私の父は、関西で漢方薬店と鍼灸師をしていましたが、結構シャックリを止めるのがうまかったそうです。 ですからなかなか止まらないシャックリは鍼灸もよいかもしれません。 私には父がどのツボを使っていたのか?まったくわからないです。 更にそれでも止まらない時は、病院へ行って全身検査をしてもらうことも必要な時があります。 外から見えない大きな病気が隠れていることがあるのです、 更に脳神経科へ行くときもあります。 シャックリで脳腫瘍が見つかる時もあると知人の脳外の医師がおしえてくれていました。

余談ですが、私のシャックリの患者さんで印象深いのは65歳の男性でした。 すい臓がんの末期で、もうホスピスへ行きなさいと言われていたのですが、 彼は仕事上どうしても在宅を希望しているとのことです。 どうしても子どもへ仕事を引き継ぎたいのです。 私がびっくりしたのは、腹水だけでなく、下半身が浮腫で全く歩けない。 利尿は一日数滴、そしていきなり私の前でシャックリを始められました。

腹水で利尿無く、シャックリが出ると「余命は48時間」と私は目安にしています。 あらゆる治療を受けてこられていましたが一つだけ出来そうなことがありましたので、それをお勧めしました。 それから3か月、私は自分で往診しました。遠方な方で主治医は西洋医ですがおられます。 私はあくまで補助医療者で、主治医は多分私の存在すらご存じないでしょう。 私はどんな治療であれ、病人が病人で無くなり、普通に生活できるのであれば、十分と考えるので、 時には「アホらしい」方法をお伝えすることもあります。 この方も本当にびっくりするくらい経過良く。私は内心感激しました。 ご本人は「おかげさまで引き継ぎは終わりました」と喜ばれたのです。 でも残念なことは主治医はこの3か月間の患者さんの体の変化を診ておられないで、 「すい臓がん末期」という病名の先入観で「もう3か月もたったのですから」とご家族に「干す」ことを指示 され、病人は旅立ちました。医師はややもすれば先入観で患者さんの体からのメッセージを受け取れないで 済ますことがあります。それは丹念に診察する以外ないのですが、忙しい今の医師の仕事ぶりでは、 見逃してしまわれます。 この方の初診時のシャックリは私にとって忘れられないものとなりました。 ともかくこの症状はどこから来るのか?何かあた時、その原因をいつも考えながら 普段の生活をした方が良いですね。 病人本人が「自分が自分の主治医」と考えていただきたいのです。

医療関係者とは病人お体はつながっていませんので、どんなにすばらしい医療者でも 病人を治しきれるものでないのです。「医療者はお手伝いさん」と私は感じました。 さて身体〈肉体、精神ともでひとつのもの〉は食べ物で出来ています。 自分が毎日体内に入れる物は大丈夫ですか?皮膚に付ける物、吸入するもの、飲んだり食べたりするもの、 大丈夫ですか?人は自然の産物です。自然にないものは、体内では代謝排泄しにくく、 体内に毒として蓄積してゆきます。食べ物でも多すぎると「食毒」という形で残ってゆきます。 「自然のものなら大丈夫」とは限りません。自然の中にも毒は沢山あります。 一人一人が自分の生命を守る学習を普段からすると、イザの時でも慌てません。 子ども達には植物学、動物学、生物学の学習をお勧めしています。 そして子ども達には「人体解剖図」の子ども向きの本をプレゼントしてあげてとお伝えしてきました。 聴診器と一緒に。 シャックリでもいろんな意味があると面白いと思いませんか?




〈文責 王 瑞雲〉